9.23.2013

ニワトリに恋をして

わたしがニワトリがだいすきです。
好きな動物ランキングで第一位をネコと争うくらいだいすきです。
でも実は、こんなにもニワトリに恋をしてしまったのは、パーマカルチャーを学び始めてから。

「パーマカルチャー」では、持続可能な農業を基本とし、循環型社会を目指しています。地球に負担をかけない、人にもやさしいSustainableな生き方をみんなでやっていこう、というものです。
このパーマカルチャーでは、ものごとの多機能性に注目します。
あるものに対して一つの見方をするだけではなく、できるだけ多くの面からものごとを見ます。

たとえば、このかわいいニワトリたち。
ニワトリと言えば、たくさんの人がニワトリはおいしい卵を産む動物として見るかもしれません。
しかし、パーマカルチャーでは、このニワトリをいろんな面から見て、活用するのです。
ニワトリの糞はとても良い肥料になる、ニワトリが土をひっかき糞をすることで土壌改良する、雑草を食べてくれる、家庭から出る生ごみを処理してくれる、かたつむりを食べてくれる、さらにこのニワトリの体温を利用しての温室&床暖房作りができる、などニワトリにはたくさんの機能があります。もちろん卵だけではなく、肉や羽なども提供してくれます。

こんな素晴らしい動物がいたなんて。パーマカルチャーを勉強してすぐにニワトリがだいすになりました。そしてそのころからずっと、ニワトリを自分の庭で飼いたい思っていました。
ベイエリアでは都会の庭でニワトリを飼っている人がたくさんいます。雄鶏は飼ってはいけないという法律がありますが、雌鳥ならばOKというのです。最近ではヤギもOKらしいです。

しかし、私の場合、そう簡単にニワトリを飼うことはできません。私の家は賃貸なので、大家さんと交渉しなければいけない、近所迷惑にならないように手配しなければいけない、さらには長期の旅行ができない、などまだまだ解決しなければいけない問題が多いです。

そんなとき、トランジションアルバニーで出会ったアレキサからニワトリを飼い始めたと、聞きました。そしてそのニワトリを何人かと一緒に共同で飼っているというのです。ニワトリはアレキサの庭にいるけれど、飼い主は数人いて、みんなで助け合って世話をしていくのです。
旅行好きなみんなにはとても良い条件だし、みんなでお金を出し合うので経済的にも助かります。さらに、ニワトリをみんなで世話することによって、コミュニティーの繋がりも生まれます。
こんな素敵なシェアの仕方があったんだ、と感激しました。

そんなアレキサに誘われた私は、このニワトリの共同オーナーになることを今、前向きに考えています。これからみんなでいろいろ相談して決めていくのですが、ぜひ一緒にニワトリを飼うことができればいいな、と心から思っています。

ガーデンシェア、道具シェア、カーシェアなどいろんな「シェア」なカタチがあるけれど、ニワトリのシェアは初めて。また新しい繋がりが広がっていくと思うと今からわくわくします。
だいすきなニワトリに会えるかと思うと今もドキドキ、わくわく、しているのです。

いつかはヤギもシェアできる日が近いかもしれません。

9.16.2013

発電ガール日記④ 自家発電プロジェクト1

こんにちは。
今日も、アルバニーはいい天気。
洗濯物がよく乾きます。

さて、発電ガールの初めてのプロジェクトをご紹介したいと思います。
電気のこと、機械のこと、まったくわからない私。でも学びたい!って気持ちはいっぱいあります。ただ、どこから始めていいかわからない。。。というのが現実です。
日本では、藤野電力さんや私の地元の関西でもあらゆるとことで自家発電が簡単に始めれるワークショップが開催されています。

しかし、私の住むアメリカでは、あまりそういったワークショップは少ないです。ソーラーパネルや風力発電はたくさんあるけれど、会社や工場など大型に電気を作っているところが多いんです。なので、学ぼうと思っても、本やインターネットで自分で一から学んだり、お金を払って自家発電を作ってもらうなどというチョイスになってしまいます。
もちろん私の住むベイエリアでは、自分の家にソーラーパネルをつけている人がたくさんいますが、それも業者に頼んですべてやってもらう、という人がほとんどです。
私の場合は、自分の電気をつくってみたい、電気をつくる仕組みを一から学んでみたい、という気持ちが強いので、そういうわけにはいきません。それに、今住んでいる家は賃貸なので、大家さんの許可なくソーラーパネルを設置することはできないのです。(一度相談したんですが、うちの大家さんはあまり興味がなさそうでした。)

そこで、いろいろ考えた結果、屋根につけるのではなく、お庭やアウトドアで電気をつくれるような持ち運びができるソーラーパネル発電機を作ろう!というプロジェクトが出来上がりました。

さらに、このプロジェクトの先生になってくれる人が決まりました。
うちの旦那のショーンさんです。
実はショーンは、ソーラーパネルの会社で働いているエンジニアです。そんな旦那さんとずっと一緒にいるのに、私は電気のことをまったくわかっていない、という恥ずかしい話ですが、そんな彼は私が電気に興味を持ってくれてちょっと嬉しそうでした。
私がこのプロジェクトの話を持ちかけたときもすぐに乗り気で、喜んで一緒にやってくれることになりました。そうこうして、我が家の自家発電プロジェクト第一弾が始まったのです。

これからどんなことが学べるのか楽しみです。
本やインターネットで知識を頭に詰め込むより、やっぱり自分でやってみるのが一番学べる。
私が体験したこと、学んだこと、このプロジェクトを通して少しずつ紹介したいと思います。
お楽しみに。


9.10.2013

都会で農業しよう!消費者から生産者へ

こんにちは。
今日もアルバニーはとってもいい天気。
エネルギーも作れるし、野菜もすくすく育つし、みんなも笑顔になって、嬉しいな。

今日は私が参加しているプロジェクトをひとつ紹介したいと思います。
都会で農業する!と聞くと、家庭菜園や公園でのコミュニティガーデンなどのイメージがありますが、私たちが始めたのはけっこう本格的な農業です。その名もGill Tract Urban Agriculture Research Project!
40人の市民(アルバニー、バークレー、オークランドからも参加)たちが、Gill Tractと呼ばれる土地で4ヶ月間、コミュニティーのための農業プロジェクトを行っています。
今日は、そのプロジェクトができるまでの背景を簡単にお話します。
うちの家から歩いて10分ほどのこの土地、Gill Tractは、バークレー大学が研究目的のために所有する土地です。一部はとうもろこしなど育てられていますが、見た目はほぼ空き地です。もともと農業用の研究に使われている土地なので、いろんなところに雑草や木もいっぱい生えています。鹿や七面鳥も住んでいます。
ただ、長い間あまり研究目的で使われていなかったため、数年前からこの土地を大手スーパーマーケットが狙っていました。そして、その話はどんどん本格的に進んでいき、ついに私たちの耳にも、スーパーができるかもしれない、という情報が入ってきました。
そして、それを反対する人たちが集まり、その土地を占拠しプロテストを行う、Occupy The Farmというグループが誕生しました。
このグループに参加している人たちは、この土地だけに限らず、アメリカや世界中での大企業によるグローリーバリズムに反対している人たちです。彼らは、この土地が大手スーパーではなく、市民そしてみんなのための都会農園にするためにずっと訴えてきました。
Occupy The Farmのサイト
http://www.takebackthetract.com/

この占拠は長い間続き、その土地の周りには多くの警察やマスコミが殺到し、一時は逮捕者がたくさんでるほどの騒ぎになりました。
私はこのOccupy The Farmという運動をサポートしていました。しかし、騒ぎが大きくなり、占拠もどんどんエスカレートしていって、アルバニー市民の一部のひとたちからこの占拠をやめてほしいという声もでてきました。
たしかに、日中にたくさんのヘリコプターが飛び回っていて、どうなってしまうんだろう、という不安が出てきたんだと思います。私自身も、できれば平和的に、けが人や逮捕者がでないように解決して欲しいという気持ちでいっぱいでした。

この占拠が始まったのがちょうど一年前、そしてまた今年のアースデイの日に2度目の占拠が始まり、そしてまた警察により一年前のように全員退去させられました。
いったいどうなってしまうんだろう、という気持ちでみんなGill Tractの土地を注目していました。

そんなとき、とてもいいニュースがやってきました!なんと、計画中だった大手スーパーマーケット建設の計画が白紙に戻ったのです!これには、みんな驚きです。なぜなら、その大手スーパーマーケットが手を引くなんて、過去にほとんどなかったからです。
これはみんなにとってとっても嬉しいことでした。しかし、建設計画が白紙になったからといって、この土地をみんなのための農園にするという話はまだこれっぽっちもでていません。
これからまたみんなで力を合わせて、行動していかなければいけないんです。

そしてさらに、バークレー大学でアグロエコロジーを教えているひとりの教授が、おもしろいプロジェクトを始めようとしていました。そのプロジェクトというのが今わたしの参加している「都会で農業」その名もGill Tract Urban Agriculture Research Projectです。
この限られた都会の農地を使って4ヶ月でどれだけの野菜を生産できるか、重さを量り、さらにどれだけの栄養が得られるのかもしっかり計算します。
もともとこのGill Tractの土地はバークレー大学のものです。占拠をしていたOccupy the Farmと敵対していたその大学の教授が、こんなプロジェクトを持ち出したのはとても異例なことです。
彼はバークレー大学に所属しているけれど、はじめからずっとOccupy the Farmに賛成していました。わたしたちが生きていくには消費するだけではなく、生産していかなければならない、都会でも循環するシステムを作っていくことが大切だと考えています。
そんな彼のプロジェクトに参加した40名のアーバンファーマーたち。わたしもその一人になることができ、とても嬉しく思っています。
これは、占拠でもなにもなく、合法なプロジェクトのひとつなのです。みんな胸を張って、この土地で野菜を育てています。今まで占拠することでしか耕すことのできなかったこの土地に、わたしたちの希望の光が溢れています。
プロジェクトが始まり、約一ヶ月がたとうとしています。野菜もすくすく育ってきて、ファーマーたちの絆も深まってきました。それだけではありません、今後はバークレーの大学教授や関係者をここに招いて、わたしたちがどんなことをやっているのか紹介するのです。もう、逮捕者やけが人なんて出ない、平和的な解決の仕方がみえるかもしれない。そんな気がして今日もわくわくしているのです。まだまだ時間はかかります。だけど、どんなことがあってもみんなで楽しんでやっていきたい。楽しむことは、わたしたちの循環する生活にとっても必要なものだから。