9.10.2013

都会で農業しよう!消費者から生産者へ

こんにちは。
今日もアルバニーはとってもいい天気。
エネルギーも作れるし、野菜もすくすく育つし、みんなも笑顔になって、嬉しいな。

今日は私が参加しているプロジェクトをひとつ紹介したいと思います。
都会で農業する!と聞くと、家庭菜園や公園でのコミュニティガーデンなどのイメージがありますが、私たちが始めたのはけっこう本格的な農業です。その名もGill Tract Urban Agriculture Research Project!
40人の市民(アルバニー、バークレー、オークランドからも参加)たちが、Gill Tractと呼ばれる土地で4ヶ月間、コミュニティーのための農業プロジェクトを行っています。
今日は、そのプロジェクトができるまでの背景を簡単にお話します。
うちの家から歩いて10分ほどのこの土地、Gill Tractは、バークレー大学が研究目的のために所有する土地です。一部はとうもろこしなど育てられていますが、見た目はほぼ空き地です。もともと農業用の研究に使われている土地なので、いろんなところに雑草や木もいっぱい生えています。鹿や七面鳥も住んでいます。
ただ、長い間あまり研究目的で使われていなかったため、数年前からこの土地を大手スーパーマーケットが狙っていました。そして、その話はどんどん本格的に進んでいき、ついに私たちの耳にも、スーパーができるかもしれない、という情報が入ってきました。
そして、それを反対する人たちが集まり、その土地を占拠しプロテストを行う、Occupy The Farmというグループが誕生しました。
このグループに参加している人たちは、この土地だけに限らず、アメリカや世界中での大企業によるグローリーバリズムに反対している人たちです。彼らは、この土地が大手スーパーではなく、市民そしてみんなのための都会農園にするためにずっと訴えてきました。
Occupy The Farmのサイト
http://www.takebackthetract.com/

この占拠は長い間続き、その土地の周りには多くの警察やマスコミが殺到し、一時は逮捕者がたくさんでるほどの騒ぎになりました。
私はこのOccupy The Farmという運動をサポートしていました。しかし、騒ぎが大きくなり、占拠もどんどんエスカレートしていって、アルバニー市民の一部のひとたちからこの占拠をやめてほしいという声もでてきました。
たしかに、日中にたくさんのヘリコプターが飛び回っていて、どうなってしまうんだろう、という不安が出てきたんだと思います。私自身も、できれば平和的に、けが人や逮捕者がでないように解決して欲しいという気持ちでいっぱいでした。

この占拠が始まったのがちょうど一年前、そしてまた今年のアースデイの日に2度目の占拠が始まり、そしてまた警察により一年前のように全員退去させられました。
いったいどうなってしまうんだろう、という気持ちでみんなGill Tractの土地を注目していました。

そんなとき、とてもいいニュースがやってきました!なんと、計画中だった大手スーパーマーケット建設の計画が白紙に戻ったのです!これには、みんな驚きです。なぜなら、その大手スーパーマーケットが手を引くなんて、過去にほとんどなかったからです。
これはみんなにとってとっても嬉しいことでした。しかし、建設計画が白紙になったからといって、この土地をみんなのための農園にするという話はまだこれっぽっちもでていません。
これからまたみんなで力を合わせて、行動していかなければいけないんです。

そしてさらに、バークレー大学でアグロエコロジーを教えているひとりの教授が、おもしろいプロジェクトを始めようとしていました。そのプロジェクトというのが今わたしの参加している「都会で農業」その名もGill Tract Urban Agriculture Research Projectです。
この限られた都会の農地を使って4ヶ月でどれだけの野菜を生産できるか、重さを量り、さらにどれだけの栄養が得られるのかもしっかり計算します。
もともとこのGill Tractの土地はバークレー大学のものです。占拠をしていたOccupy the Farmと敵対していたその大学の教授が、こんなプロジェクトを持ち出したのはとても異例なことです。
彼はバークレー大学に所属しているけれど、はじめからずっとOccupy the Farmに賛成していました。わたしたちが生きていくには消費するだけではなく、生産していかなければならない、都会でも循環するシステムを作っていくことが大切だと考えています。
そんな彼のプロジェクトに参加した40名のアーバンファーマーたち。わたしもその一人になることができ、とても嬉しく思っています。
これは、占拠でもなにもなく、合法なプロジェクトのひとつなのです。みんな胸を張って、この土地で野菜を育てています。今まで占拠することでしか耕すことのできなかったこの土地に、わたしたちの希望の光が溢れています。
プロジェクトが始まり、約一ヶ月がたとうとしています。野菜もすくすく育ってきて、ファーマーたちの絆も深まってきました。それだけではありません、今後はバークレーの大学教授や関係者をここに招いて、わたしたちがどんなことをやっているのか紹介するのです。もう、逮捕者やけが人なんて出ない、平和的な解決の仕方がみえるかもしれない。そんな気がして今日もわくわくしているのです。まだまだ時間はかかります。だけど、どんなことがあってもみんなで楽しんでやっていきたい。楽しむことは、わたしたちの循環する生活にとっても必要なものだから。


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