3.18.2011

パーマカルチャーの集い

日本のために私ができること。
悲しみだけで終わるのではなく、希望に向かうエネルギーをできるだけ多くの人に持ってもらいたい。

私は、阪神大震災の被害者の一人です。
私はまだ小学生で、両親、弟、とそれに、まだ赤ちゃんだった妹と神戸に暮らしていました。
あの地震の瞬間は、正直何が起きたのかはっきりと覚えていません。きっと自分の身体が思い出したくないと、拒否しているのかもしれません。
はっきりと今でも覚えているのは、家族でずっと一緒にいたことと、少しずつ、何日もかけて食べ続けたドライカレーの味です。(それ以来、ドライカレーは嫌いになりました。)
地震後、1週間もたたないうちに福井県の祖父母の家に家族みんなで疎開しました。
今思うと、両親はきっとその答えを出すのに苦しんだと思います。たとえその決断が、私たち子どもにとっては一番安全なものだとしても。
慣れ住んだ土地、友達や仲のよかった近所を離れ、地震の被害がおさまるのを、遠く離れた場所で、見守ることを選んだ両親、きっと友達や近所の人の安否をずっと祈っていたと思います。

そんな母と数日前、電話をしました。
両親は関西に住んでいるため、すぐに無事を確認できました。
私が泣きそうになりながら電話してると、母はこう言いました。
「こないだ三ノ宮(神戸の中心地)を通り過ぎた時、ここにでっかい地震があったなんて考えれへんかったわ~。人間の力はすごいな~。今、神戸は、地震が起きる前以上に栄とるで。」

私はその言葉に、人間の強さを感じました。
人の命、その人たちのライフ、それに思い出が奪われ、それを取り戻すことはできません。阪神大震災で、私は何人も友達を失いました。
とても悲しくて、悔しくて、人間はとても脆いものだと感じさせられました。
でも、それを取り戻すことはできないけど、私たち、人間の強さを信じて、私たちの新しい未来を創り上げることはできると思います。
悲しみに押しつぶされるだけではなく、希望というエネルギーを持つことがきっと一番今の私たちには必要なことなのではないか、と信じます。


そして、私が日本のために今できること、それはパーマカルチャーを広めることだと思います。
私は、先月サンフランシスコにあるUrban Permaculture Design Course 修了しました。
そして今はできるだけ多くの人にパーマカルチャーを伝えれることを願っています。

パーマカルチャーという言葉を初めて聞いた方も多いと思いますが、基本的な定義は「人間にとっての恒久的持続可能な環境をつくり出すためのデザイン体系のこと」です。
きっとこの定義だけでは???がたくさんだと思います。私もそうでした。
パーマカルチャーのおもしろいところは人によって少しずつ定義が違うところです。でも、どれもそうだよね、ってうなずけるアイディアなのです。
日本のパーマカルチャーのウェブサイトでも十人十色な説明がされています。とても興味深いので見てみてください。パーマカルチャーとは何か、アイディアがつかみやすいと思います。

パーマカルチャーセンタージャパン
http://www.pccj.net/

安曇野パーマカルチャー
http://www.ultraman.gr.jp/perma/

そして、今の私にとっての定義は「地球とともに生きること。自分のまわりで需要と供給のバランスがうまくとれ、楽しめる生活をデザインすること、そしてそのデザインが次の世代へと永遠に続くこと。」とだと考えています。

私はパーマカルチャーを学び始めて、自分の今までの生活に無駄なエネルギーがたくさんあったことに気付きました。例えば水の使い方。自分の使う水がどこからきているのか、それにどれだけの水を私は一日使っているのか、今までは考えたことがありませんでした。それがお金を払えば、無限に使えるもののように思っていました。電気だってそうです。私の使う電気がどこから送られてきているのか、恥ずかしながらも考えたことがありませんでした。今回、日本で原子力発電の事故があり、初めて、私たちの電気は原子力発電に頼っていたことを感じさせられました。

私が生まれたころには、原子力発電は私たちの生活の一部であって、ほんとうにそれが必要なのか、疑ってもいませんでした。今考えると恐ろしいことです。
しかし、私を含め、日本にいる多くの人がそのように思っていたかもしれません。
そして今回の事故で、みんなの注目が原子力発電に向いています。
原子力発電がいかに恐ろしいものかたくさんの人が身をもって体験しています。

今こそ、水や食べ物、そしてエネルギーがどこから来るのか、どれだけ重要か、考えるチャンスだと思います。私たちの持続可能な生活をみんなで一緒に考えていけると信じています。


いくら自然が強い風を私たちに吹きつけてきても、私たちはそれを風力発電に代える方法を知っています。私たちは自然とともに生きていく方法を知っています。
自然は敵では決してなく、私たちはその自然と共存し合えます。
全てのことには意味があり、全ては繋がっています。
それをできるだけたくさんの人と分かち合いたいです。

地震が起きてもうすぐ1週間がたとうとしています。
たしかに今やらなければできないこと、救助や義援金募集などはたくさんあります。
私も自分たちのできる限りのことを友達と一緒に活動しています。
一刻も早く多くの人に笑顔が戻るように、毎日祈っています。

パーマカルチャーはを広めることはすぐできることではなく、数年、十年、そして百年後を見通して広めていくつもりです。今すぐには参加できないけど、興味を持ってくれたひと、いつでも待っています。焦らず、パーマカルチャーはずっと永遠に続いていくものなので、いつでも声をかけてくださいね。



Peace, 

 

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